妊娠したいママが夫に絶対伝えるべき風疹の知識
今年度、風疹が流行していると言う情報をテレビで良く見かけるようになりました。
東京感染症情報センターのHPに統計が掲載されているのですが、2012年の統計では672人だった年間報告者数が今年は現時点で大幅に増加。
厚生労働省が啓発事業をおこない感染の防止に努めていますが、残念ながらまだまだ感染者は増加しそうな気配です。
妊婦が風疹を発症すると胎児に悪影響があるのは同じなのですが、注意すべきはその流行について。
数年日度、最近では2013年に風疹が大流行しましたが、この時発病した方のほとんどが20歳以上の成人でした。
また、予防接種の接種率の低い世代と言うのが存在し、感染しやすい年齢の人がいたりするのをあなたは知っていますか?
実は厚生労働省も風疹の感染予防について力を入れており、啓発事業を行っています。
今回は厚生労働省のHPを参照しつつ私の周囲の先輩ママ・パパ、担当医から聞いた、妊娠前に知っておいていただきたい風疹の症状と対策についてご説明します。
そもそも風疹とはどのような病気?
風疹とは、風疹ウイルスによっておこる急性の発疹性感染症で、主な症状としては、発熱・発疹・リンパ節腫脹といった症状があります。
みなさんのイメージでは、「子供のころにかかる病気」というイメージがありませんか?昔は小学校低学年までのお子さんが多くかかる病気だったのですが、近年は成人男性に多く発生しているようです。
春先から初夏にかけて多く発生し、潜伏期間は平気で16~18日程度。中には感染しても特別何か症状が出ることなく免疫が出来る人も。
子供だと比較的軽度の症状でおさまる事が多いのですが、大人がかかると症状が長引く事があります。
風疹の感染経路は?
飛沫感染
「飛沫」(ひまつ)とは、くしゃみや咳をしたときに飛び散る小さな水滴です。
すでに風疹に感染している人の咳・くしゃみの中にはウイルスが含まれており、これを鼻や口から吸い込むことで感染します。
接触感染
例えば会社だとドアや電話、照明のスイッチや水道の蛇口等、ウイルスの感染者が物に触り、他の人がその物に触れることで感染するのが「接触感染」です。
手に触れただけなら良いのですが、そのままお昼ごはんを食べたり鼻をかんだりした時に口や鼻から体内に侵入するというわけです。
怖いのは飛沫感染の方もそうですが、風疹ウイルスを持った患者に自覚症状が無い場合、知らないうちに周囲に風疹ウイルスをばらまいている可能性があるという事です。
社内で麻疹が流行したけど、感染源は発病せず何事もなく仕事をしている人…なんてこともあります。
妊娠中、母親の胎内で感染
風疹ウイルスに免疫のない妊婦さんが妊娠初期に風疹にかかると、出生児に先天性風しん症候群 (CRS)と言われる障害を引き起こす場合があります。
妊娠中に風疹にかかってはいけないと言われているのは、この病気を胎児に発生させないためなのです。
妊娠中の方は注意!先天性風しん症候群 (CRS)とは?
主に妊娠初期に妊婦が風疹ウイルスに感染することにより、赤ちゃんに先天性の様々な症状が現れる病気です。
主な症状としては
- 先天性心疾患
- 白内障
- 難聴(高度難聴である事が多い)
特に先天性心疾患と白内障は妊娠初期3ヶ月以内の感染で、難聴については3カ月目以降でも感染する症状です。
さらに、上記3つの症状以外にも、網膜症、肝脾腫、血小板減少、糖尿病、発育遅滞、精神発達遅滞、小眼球など多様な症状が確認されています。
そして重要なのは、先天性風しん症候群 (CRS)それ自体には治療法はありません。
よって、そもそも感染しないという対策が非常に重要なのです。
風疹に感染しないために
実は風疹のウイルスの感染力は、インフルエンザの2~4倍と言われています。
さらに、手洗いやマスク着用は風疹の予防対策としては不十分と考えられています。(効果が全くないわけではありません)
妊娠したらずっと家にいる…と言うわけにもいかないでしょうし、家族もそうですが家に訪問した人(知人や宅配のスタッフ等)から感染する可能性もあります。
なので、現状最も効果のある風疹ウイルスへの対策は、感染前にワクチンを打ち、免疫を作るという事になります。
風疹の予防接種、きちんと受けてますか?
厚生労働省のには風疹の感染予防推進HPページがありますが、そちらのコンテンツに「風疹ワクチン接種状況チェック!」と言うものがあります。
昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれの男女
男女とも中学生の時に予防接種を受ける対象になっていましたが、中学生のときに個別に医療機関で予防接種を受ける制度であったため、接種率が低く、風しんの免疫がない人が多い世代です。昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれの男女
男女とも幼児のときに予防接種を受ける対象となり接種率は比較的高いのですが、自然に風しんに感染する機会がさらに減少したため、接種を受けていない人には風しんの免疫がない人が比較的多い世代です。
うん、私の年齢は見事に当てはまりますね。というか、そんな次元ではなくて
現在妊娠する可能性の高い世代で予防接種を受けていない人は、風疹の感染について非常に危険な状態である
と言えるでしょう。
考えても見て下さい。
- あなたの仲の良い友人の年齢は何歳ですか?
- あなたの職場の同僚は何歳ぐらいですか?
- あなたのご主人の年齢は何歳ですか?
昭和54年4月2日~平成2年4月1日生まれの人は、確率的に風疹に対して免疫を持っていない人が比較的多い世代です。
その世代にいるあなたは、周囲の人も同じような年代の人が多いはず。
感染の可能性は思ったよりも広いと考えておいて下さい。
妊娠してからの風疹ワクチン接種はNG
ワクチンを接種しても胎児へ影響が無い…という事が立証されていないため、現在妊娠中の方は風疹ワクチンの接種を受ける事ができません。
子作りを予定されている方は、妊娠前に風疹の免疫を持っているかどうかの検査、必要ならワクチンの接種を受けるようにして下さい。
風疹の免疫を持たずに妊娠したら?
妊娠後に産婦人科に行かれると風疹の免疫があるかどうかを確認してくれます。
幸い妻は子供の頃ワクチンを接種していたのにもかかわらず小学校低学年の頃風疹を発病したらしく、抗体がたっぷりあったそうです。
しかし、もし風疹に対する免疫が無かった場合、極力人との接触を避け、以下のような事に気をつけて生活して下さい。
- 出来るだけ人込みを避ける
- 同居いている家族には風疹ワクチンの接種をしてもらう
- 自分の回りに風疹患者がいたら接触を避け、医師に相談する
風疹の無料診断について
実は、多くの自治体では先天性風しん症の予防のために風疹の抗体検査を無料で実施しています。
保健所に相談すると詳しく教えてくれるそうですので、妊娠を考えている方はぜひ一度相談してみて下さい。
風疹は一度感染すると生涯続く免疫が体内に作られるため。風疹にはかからなくなると言われています。
正直、検査を受けたりワクチンを接種するのは面倒かとは思いますが、少しの事で大きな安心を得れるのは魅力的だと思いませんか?
まとめ
- 妊娠中に風疹に感染すると、赤ちゃんに様々な先天性の症状が現れます
- 妊婦が風疹の免疫を持っていないと非常に危険です
- 風疹のワクチンを接種することで、風疹の感染はほぼ防げます
- 風疹のワクチンは、妊娠中は接種できません
なにより、事前のワクチン接種で予防できるという事をしっかり覚えておいて下さいね。
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